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【NOSTブログ】健康経営って、結局何のため?

健康経営。 もはや「それって何ですか?」とは、なかなか聞きにくい言葉になりました。 でも、正直なところ‥‥。

「健康診断とメンタルヘルス対策のことでしょ?」 「結局、認定マークを取るための書類仕事になっていないか?」 「毎年、調査票対応に追われているけれど、現場は冷めてるし、本質が見えない……」

そんな言葉にしづらい“モヤっと感”を抱えたまま、走り続けている方も多いのではないでしょうか。

このブログでは、「How(どうやるか)」ではなく、「Why(なぜやるのか)」に立ち返ります。

健康経営は、やらされ仕事でも、単なる制度対応でもありません。
本来は、企業と社員がともに成長するための、最強の「経営ツール」なのです。


目次

  1. 健康管理と健康経営は、似て非なるもの
  2. 「義務」から「投資」へ。設備投資より人的資本が強い理由
  3. 「マーク取得」が目的化した先に起きている悲劇
  4. 国も方向転換!「100社あれば100通りの健康経営」へ
  5. NOST式「健康経営ピラミッド」で、自社の立ち位置を再定義する
  6. まとめ:健康経営は、本業を強くする経営戦略である

1. 健康管理と健康経営は、似て非なるもの

経済産業省では、健康経営を「健康管理を経営的な視点で、戦略的に実践すること」と定義しています。

しかし、ここで最初の誤解が生まれがちです。

健康管理と健康経営は、本質がまったく違います。

  • 健康管理(産業保健)は「守り」の義務
    • 労働安全衛生法に基づく企業の安全配慮義務。
    • 病気や不調を防ぐ、悪化させない。
    • つまり、マイナスをゼロに戻す(損失を最小化する)活動。
    • これは、健康経営という言葉が生まれるずっと前から、企業が当然果たしてきた役割です。

対して健康経営は、この「守り」の土台の上に築く「攻め」の活動を指します。

2. 「義務」から「投資」へ。設備投資より人的資本が強い理由

健康経営のキーワードは、ズバリ「人的資本投資」です。

企業が社員のウェルビーイングに投資し、その結果として「ワーク・エンゲージメント」が高まり、生産性が上がり、企業の成長につながる。これは、福利厚生ではなく、れっきとした経営判断です。

ここで、設備投資と比較してみましょう。

最新の機械やシステムを導入しても、得られる生産性の向上には物理的な上限があります。

しかし、「ヒト」への投資は別です。

社員の熱意や活力が引き出されれば、その創意工夫による伸びしろは青天井です。

健康経営は「いい会社アピール」の広報活動ではなく、本業を強くするためのエンジンなのです。

3. 「マーク取得」が目的化した先に起きている悲劇

しかし、現実には多くの企業でこんな“あるある”が起きています。

  • 経営者:「担当者がしっかりやれば、認定マークは取れるでしょ(任せたよ)」
  • 従業員:「どうせ、マークを取るための活動でしょ(自分たちには関係ないね)」
  • 担当者:「調査票の“正解”を埋めるのに必死で、何のためにやってるのか……(報われない)」

なぜこうなるのでしょうか?

それは、健康経営優良法人制度の要件がこれまで「健康管理(産業保健)」に偏っていたため、取り組みが標準化され、自社の成長戦略との接続が弱まってしまったからです。

4. 国も方向転換!「100社あれば100通りの健康経営」へ

実は、国(健康経営優良法人認定制度を推進する経済産業省)自身もこの状況を「本来の方向ではない」と反省しています。

「健康経営度調査票を単なる教科書にしてはいけない」「本来の健康経営の本質を追求すべき」という姿勢に立って、令和7年度から調査票の構成が一新されました。

  • これまで:「健康経営で解決したい課題(項目チェック)」
  • これから:「経営方針 → 健康経営の推進方針 → 目標 → KGI

これは、「経営戦略に紐づかない健康経営は認めない」という、国からの強烈なメッセージです。

5. NOST式「健康経営ピラミッド」で、自社の立ち位置を再定義する

私たちNOSTでは、健康経営を以下の3つのレイヤーで整理しています。

  1. 企業価値向上(経営の層):人的資本投資として生産性向上や企業変革を目指す。(経営者・経営企画の領域)
  2. 健康価値創造(攻めの層):社員の意欲や活力を引き出す。(人事の領域)
  3. 健康課題解決(守りの層):アブセンティーズムやプレゼンティーイズムなどの損失を防ぐ。(総務・産業保健の領域)

これまでの健康経営は、3番目の「守り」の層に偏りすぎていました。

しかし、これからの健康経営は、1番上の「企業価値向上」から逆算して設計する必要があります。

6. まとめ:健康経営は、本業を強くする経営戦略である

健康経営優良法人制度が始まって10年以上が経ちました。

それにもかかわらず、日本企業の労働生産性や社員のエンゲージメントは、依然として世界的に低い水準のままです。

これは制度の不備ではなく、健康経営を「経営」として使い切れていないことが原因ではないでしょうか。

NOSTは、健康経営を単なる「健康づくりの活動」とは考えません。

100社あれば100通りの「正解」があります。自社の企業理念(MVV)やパーパスを実現するために、健康経営という仕組みを戦略的に、そして「したたか」に使い倒す。

そんな本業を強くする健康経営を、NOSTは全力で支援し、日本企業の変革を先導していきます。


次回のブログでは…… 「健康経営、結局誰がやるべきなの?」という、多くの企業が直面する「担当者任せ」問題について、組織体制の視点から踏み込んでいきます。