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個人差が大きい「PMS」の改善のためにできること

 PMS(月経前症候群:premenstrual syndrome)とは、月経前に3~10日間続く頭痛やイライラなど、心身に不調をきたす症状で、月経が始まると、無くなるか軽くなるものをいいます。

妊娠が可能な年齢の女性の50%以上がPMSを経験しています。

月経にまつわる不調は人それぞれのため、女性同士ですら理解が得られないこともあります。

デリケートな問題なので職場では取り上げにくいかもしれませんが、男性にも、同僚やパートナーのために、正しく知っていただきたいテーマです。

PMSにはどのような症状があるのでしょうか?

PMSの症状は人によってそれぞれで、その種類は200以上とも言われています。PMSには個人差があります。また、同じ人でもその都度、現れる症状は様々です。身体はだるく心はイライラという複数の症状が出たり、全く症状がなかったりということも。

【出展:大塚製薬によるインターネット調査(横軸は%)】

倦怠感や眠気でダラダラ過ごしたり、食欲が増して食べすぎてしまうという自分の行動に対して、落ち込んだり嫌悪感を感じる方も多いようです。

また、同僚とのコミュニケーションを苦痛に感じて孤立してしまい、仕事がスムーズに進まなくなることもあります。

また、パートナーや家族にきつくあたったりしてしまうことも。

このようにPMSは、体だけでなくメンタル面や職場や家庭での人間関係にも影響を及ぼします。

※症状が重い場合は、無理せず医療機関に相談しましょう。
※精神症状が強くでる場合、PMDD(月経前不快気分障害)と診断されることもあります。

PMSはなぜ起こるのでしょうか?

PMSの原因はまだはっきりとは解明されていませんが、女性ホルモンの変動による影響が大きいと考えられています。

月経前のホルモンの変動について

月経のある女性の体では、黄体期と呼ばれる​​​​排卵から月経までの間に「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の分泌量が増えます。

しかし、黄体期の後半になると、卵胞ホルモンと黄体ホルモンが急激に低下します。女性の体はとてもデリケートです。ホルモン分泌の変化で自律神経が乱れ、心身に様々な不調が発生すると考えられています。

例えば、食欲増進。月経前になると血糖値のコントロールのために、通常よりも多くのインスリン(血糖値を下げるホルモン)が必要になります。そのため、食後に低血糖を起こしやすく、普段よりも食欲が増したり、甘いものを欲するようになるのです。

PMSの起こりやすい性格や環境

一般的にこのような性格や環境の下ではPMSが起こりやすいといわれています。

懸命に働くビジネスパーソンにとって、当てはまるものが多いのではないでしょうか。

【性格】
我慢強い・真面目・律儀・負けず嫌い・自分に厳しい

【環境】
不規則な生活リズム・ストレスが多い

PMSの症状は年齢などでも変化

PMSの症状は、年齢や出産経験によっても変化します。20代では頭痛や胸の張りなど体に現れる症状が多くみられます。30代からは体の症状に加えメンタル面にも症状が出るパターンが多くみられます。

たいていは40代になるとPMSの症状が和らぎます。しかし、PMSの症状はそのままで更年期に移行していくケースも稀ではありません。

出産の前後でもPMSの症状が変わる例もよくあります。出産後の体はホルモンバランスが不安定になりがちです。不安定なホルモンバランスはPMSの症状を重くします。そのため出産後はPMSが重くなりやすいのです。

また、出産後は子育てで忙しく、リラックスできる時間も少なくなります。そのため、怒りっぽくなる・イライラするなどの精神的な不調も感じやすくなるようです。

セルフケアでPMSと上手く付き合いましょう

ここからは、PMSと上手く付き合っていくための方法をお伝えします。

鎮痛剤に頼ったり、我慢するばかりでなく、自分らしく毎日を過ごすためにもセルフケアを取り入れてみてください。

体のリズムを知りスケジュールを整える

月経に関わる体のリズムを知っておきましょう。気分や体の症状について、手帳などに記録しておくと把握しやすいでしょう。

調子が悪くなる期間を予め推測できると、無理なくスケジューリングができます。症状が出やすい頃に、お気に入りのカフェで過ごすなどリラックスできる時間を予定に入れておくのもオススメです。

PMSを緩和する食べ物を摂りましょう

マグネシウム・カルシウムなどのミネラルやビタミンを積極的に撮りましょう。

【摂りたい食材】
ヨーグルト・チーズ・ナッツ・海藻類・緑黄色野菜・大豆製品・レバー・マグロ・カツオ

ダイエット中で炭水化物を控えている場合は要注意です。炭水化物不足はイライラの原因にもなりかねません。また、塩分を摂り過ぎるとむくみやすくなり、糖分の摂り過ぎはイライラや落ち込みの原因になります。バランスの取れた食事を心掛けることで、月経前の肌荒れ予防にもつながります。

食べ過ぎてしまう時の対策は?

食欲増進もPMSでよくある症状です。食べたい気持ちを我慢してイライラしたり、食べ過ぎてクヨクヨしたりと、メンタル面にも悪影響です。そんな時は無理に我慢をせず「食べても良いおやつ」を決めておきましょう。

プロテイン入りのシリアルに豆乳をかける。ヨーグルトにナッツやフルーツをトッピングする。このようなおやつで栄養も補いましょう。噛みごたえのあるものや水分と一緒に摂る事でお腹を満たすことができます。

軽い運動で体と心をリフレッシュしましょう

イライラしたり、気分が落ち込む時には少し体を動かしましょう。月経前から月経中は骨盤に負担がかかります。太ももやお尻のストレッチは骨盤内の血流を改善し、腰痛やだるさの解消につながります。首・肩周りのストレッチはイライラの解消にも効果的です。

深い呼吸と合わせて動くヨガもオススメです。ゆったりとした呼吸で副交感神経の働きが活発になり気分も落ち着きます。

また、日中ずっとオフィスで過ごす場合は、昼休みに外に出てオフィスの周りを10分ほど歩いてみましょう。少し歩くだけでも血行が良くなり、むくみ対策になります。気分転換にもなりスッキリします。

生活習慣にも気配りしましょう

やる気が出ないとついコーヒーに頼りたくなりますね。ですがコーヒーは体を冷やします。PMS症状が気になる時は、カフェインを含まないハーブティーがオススメです。良い香りで気持ちも落ち着きます。また、ホルモンの働きで、アルコールの代謝もゆっくりになるのでお酒は控えめに。

入浴はシャワーだけで済まさず、湯船に浸かりましょう。お風呂でゆっくりと体を温めると全身の血流が良くなり、倦怠感やだるさの改善にもつながります。

まとめ

PMS(月経前症候群)には個人差がありますが、心身に様々な症状が現れます。その症状は200種類ほどもあり、性格や環境、年齢によっても違います。

PMS対策のセルフケアは、女性の心身にとって必要なものばかりです。少しでも快適に月経前の期間を過ごすために、キャリアも自分自身もどちらも大切にする生活を送ってくださいね。

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