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【NOSTブログ‣2026年5月 第2回】理想と現場が「ナラティブ」で出会う瞬間

「健康経営ガイドブック2025」では、従来の戦略マップが新しいフォーマットに変わりました。

「戦略マップを書き直せと言われても、何から手をつければいいのか」。

そんな担当者のために、NOSTが支援する「健康経営戦略フロー図」のエッセンスをご紹介します。

経営が描く「理想」と、現場が積み上げる「実践」がドラマチックに交差する設計図。

その構造を解き明かし、組織にワクワク感を生み出す方法を解説します。


目次

  1. 100社100様の「経営方針」から始める
  2. KGIは経営の言葉で語る
  3. 施策を「ナラティブ」で繋ぐ
  4. まとめ:自社の未来を語る「ナラティブ」

1. 100社100様の「経営方針」から始める

健康経営優良法人認定制度をリードする経済産業省も、各社の健康経営が似たり寄ったりになっている現状に対して、「100社あれば100通りの健康経営がある」と唱え始めました。

NOSTの戦略設計において、最上段に位置するのは「経営戦略(成長戦略)」です。

自社の経営戦略(パーパス、MVV、中長期経営戦略など)を達成するために、健康経営という手段をどう活用するか。

このバックキャスティングの視点が不可欠です。

1.0の「他社のマネ」を脱し、自社の本業を強化するための独自の出発点を設定することが、2.0への第一歩です。

2. KGIは経営の言葉で語る

戦略マップの要となるKGI(重要目標達成指標)は、単なる「数値」ではなく、経営層や投資家と対話できる「経営の言葉」であるべきです。

社員の「肉体的な健康」「精神的な健康」に取り組むだけではなく、「社会的な健康(=周囲から支えてもらえているという実感、自分の居場所があり成長できるという実感)」にも注目して、社員の「ワーク・エンゲージメントの向上」や「生産性の向上」を目指した健康経営への投資が将来の利益をどう確実にするのか。

これを明確にすることで、健康経営は「コスト」から、将来の成長を支える「無形資産への投資」へと昇華します。

3. 施策を「ナラティブ」で繋ぐ

施策がバラバラの「点」になっていませんか?

調査票の設問項目を埋めることが健康経営になっているとしたら、自社らしい健康経営の全体像は見えないままです。

「なぜ、うちの会社で今、この施策が必要なのか」。

それを、自社が目指す健康経営の全体像から説明するのが「ナラティブ(物語)」です。

従業員が「会社から大切にされている」「ここに自分の居場所がある」と感じられる社会的な健康(健康風土)の醸成。

これらが経営戦略達成に向けたやる気や没頭(ワーク・エンゲージメント)にどう繋がるか。

ストーリーが一本の線で繋がったとき、従業員にとって健康経営は「自分事」になります。

4. まとめ:自社の未来を語る「ナラティブ」

戦略マップを描くことは、自社の未来を物語ることに他なりません。

標準化されたサンプルの枠を飛び出し、自社だけの設計図を手に取ったとき、健康経営は組織の自走エンジンとなります。

戦略マップは、自社の経営戦略を達成するために、未来に向けて、人と組織をどんな方向に向かって変革していくかを語るツールです。

経営者と従業員をつなぐツールであることはもちろん、全てのステークホルダーに対して、自社の成長戦略を人的資本(従業員)を通して達成するためのシナリオを描いた「ナラティブ」です。


次回は、【How:実践・体制編】として、健康経営の設計図である「戦略マップ」を作った後の運営へと進みます。

健康経営の「担当者の孤独」を解消し、経営戦略としての健康経営を動かす2.0を現実のものにするための組織体制(外部リソースを賢く使うことを含む)の重要性について考えます。