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【NOSTブログ‣2026年4月 第1回】調査票を「一問一答」で終わらせない。全体を鳥瞰し、自社の「存在意義」を問い直す

3月9日の『健康経営優良法人2026』の認定発表を受けて、申請に携わった皆様は、フィードバックシートの結果をどう受け止めていらっしゃるでしょうか。

『健康経営優良法人』の認定取得に取り組む企業が、認定要件を満たしていることを回答する『健康経営度調査票』。

私たちはつい、設問の一問一答に追われ、それぞれの枠を埋めることに精一杯になりがちです。

しかし、一つひとつの設問に回答を積み重ねても、それだけでは「自社がなぜ健康経営をやるのか」という核(コア)は見えてきません。

今回は、『健康経営ガイドブック2025』が示す「100社100様の健康経営」という指針を軸に、調査票全体を一連の「物語」として捉え直す視座について考えます。


目次

  1. 「一問一答」の積み上げが、自社の個性を消していく
  2. 調査票を「鳥瞰」し、設問の背後にある「経営の意志」を読み解く
  3. 「100社100様」の分水嶺:ガイドブック2025が求める真摯な検討
  4. まとめ:調査票を「埋める対象」から「語るための脚本」へ

1.「一問一答」の積み上げが、自社の個性を消していく

健康経営度調査票に向き合うとき、多くの事務局が陥るのが「部分最適」の罠です。設問ごとに「何を書けば点数になるか」を検討し、一問一答を積み上げていく。

しかし、その結果出来上がるのは、社名を隠せばどこの会社か分からない、平均的で無機質な「標準回答」の羅列です。

点数は取れても、そこには「自社ならではの体温」が宿る余地がありません。

2. 調査票を「鳥瞰」し、設問の背後にある「経営の意志」を読み解く

今、求められているのは、調査票を上空から「鳥瞰」する視点です。

最重要設問であるQ17(大規模法人部門)・Q33(中小規模法人部門)*で掲げる自社の「健康経営の推進方針」「目標」「KGI」は、独立した回答ではありません。

それらは、調査票全体のあらゆる施策を一本に繋ぎ止める「一連の物語」の起点です。

全ての回答が、自社の経営方針というゴールに向かって収束しているか。

この全体観こそが、戦略の有無を分かちます。

3. 「100社100様」の分水嶺:ガイドブック2025が求める真摯な検討

健康経営ガイドブック2025において、経産省は標準化された健康経営から決別する「100社100様の健康経営」という方針を打ち出しました。

これは、他社のコピーではない、自社ならではの真摯な検討が不可欠であることを示唆しています。

従来の「健康管理(産業保健)」の枠組みを一度解き放ち、自社の事業成長にウェルビーイングをどう編み込むのか。

その「設計思想」を問うフェーズへと、健康経営は進化しています。

4. まとめ:調査票を「埋める対象」から「語るための脚本」へ

調査票は、単なる審査のための書類ではありません。

ステークホルダーに対し、自社の価値を伝えるための「脚本」です。

一問一答の事務作業を卒業し、全体を鳥瞰する視点を持って、自社独自の物語を紡ぎ始めませんか。


次回は、【THE DIVIDE:分水嶺編】として、アウトプットの罠を抜け出し、物語の結末となる経営の「果実(アウトカム)」を定義する力について考えます。