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免疫力を高める秘訣と簡単ランチアレンジ
近年よく耳にする免疫力。「免活」という言葉さえ使われています。
免疫力が低くなると体調を崩しやすくなり、ビジネスシーンにも影響しかねません。免疫力の高い状態を保つことは、ビジネスパーソンにとって欠かせないコンディショニングケアです。
「免疫力とは何なのか」「免疫力を高めるためにできること」「免疫力を高める食べ物」についてお伝えします。
免疫力とは
免疫力は、体の機能の中では体力のジャンルに含まれます。
体力には2種類あり、1つは身体活動を行う行動体力。そして、もう1つが免疫力の含まれる防衛体力です。
防衛体力は、様々なストレスから体を守り健康を維持しようとするための調節能力のことです。
免疫力の低下により、風邪をひきやすくなったり、感染症にかかりやすくなります。
しかし、免疫力は高ければ良いというものでもないのです。関節リウマチなどは免疫反応が高まりすぎて起こりますし、花粉症などのアレルギー疾患は免疫が過敏に反応している状態です。
つまり、免疫力が低すぎも高すぎもせず、適度に保たれている状態が病気になりにくいといえるでしょう。
免疫力を高めるためには
免疫力を高めるためには、どんなことに気を付ければ良いのでしょうか?
栄養・運動・睡眠の3つの視点から見ていきましょう。
①免疫力を高める食べ物を摂ろう!
体温が1℃下がると、免疫力は約30%低くなるといわれています。
体温を作り出すのは筋肉です。筋肉の材料となる「たんぱく質」の摂取は免疫力を高めるために欠かせません。他には、ヨーグルトなどの発酵食品やオメガ3系列脂肪酸を含む青魚、きのこ類なども免疫力を高める食材として知られています。
まずは1日3食、バランスの良い食事をすることを心がけましょう。補いきれない部分は免疫力を高めるサプリを上手く活用してみましょう。
免疫力を高める食べ物
たんぱく質|ヨーグルトなどの乳製品、卵、大豆製品、肉、魚
ヨーグルトや卵などは、良質なたんぱく質が摂れる食べ物です。たんぱく質を摂取することで、病原菌から身体を守る「免疫グロブリン」という抗体が増えます。さらに、ヨーグルトには乳酸菌やビフィズス菌も含まれているので整腸作用も。
きのこ|しいたけ、しめじ、えのき、舞茸、エリンギ、キクラゲ
きのこ類は、低カロリーで食物繊維が豊富。中でもきのこ特有のβ–グルカンといわれる成分が、免疫力を高めます。特に天日干ししたものは、紫外線の作用で免疫機能を調節するビタミンDも豊富です。
未精製の穀類|玄米、分つき米、雑穀、全粒粉パン、ライ麦パン
特に玄米は完全栄養食といわれるほど栄養価が高く、ビタミンBやミネラルが豊富です。炭水化物なので、体内で分解されるとエネルギーを生み出し、免疫力の向上につながります。ただし、消化に時間がかかるので、小さなお子さんやご年配の方の摂取は注意が必要です。
お手軽ランチを免疫力アップランチに変身!
忙しいビジネスパーソンのお手軽ランチと言えば、コンビニランチやファーストフード。
ひと工夫することで『免疫力アップランチ』に変身させることができます。ありがちランチのタイプ別に、追加したい食材をご紹介します。
【麺類のみ or 麺類に炭水化物を追加するタイプ】
麺類がメインのラインの方は、たんぱく質が不足しがちの可能性があります。筋肉量を維持し免疫力を高めるためにたんぱく質を補いましょう。おにぎりやパンを追加する代わりに、サラダチキンや卵などを選ぶと免疫力が高まります。
オススメの組み合わせ
定番の月見そばに納豆をオン。たんぱく質がたっぷり摂れます。サイドメニューにサラダを追加すればさらに栄養価がアップ。
【おにぎり or パンのみタイプ】
このタイプの方は、栄養バランスが偏りがちです。野菜や果物などを追加しましょう。野菜や果物のビタミンやミネラルは、免疫が正常に機能するために欠かせません。おにぎりを玄米のものに変えたり、サラダや乳製品を追加しましょう。
オススメの組み合わせ
ハムチーズのサンドイッチ+豆や卵などの入ったサラダ。スムージーやプロテインバーなどを上手く活用して、たんぱく質やビタミンを補いましょう。
【サラダのみタイプ】
一見するとヘルシーなイメージですが、エネルギーが足りず筋肉量が減り冷えやすい体になりやすいです。体温低下は免疫力を下げます。チーズやゆで卵、温かいスープを足してみましょう。
オススメの組み合わせ
チキンや卵の入ったサラダ+春雨スープ。春雨は食物繊維が多く腸内環境を整え、免疫力アップにつながります。スープの代わりにヨーグルトや甘酒もよいでしょう。
②免疫力を高めるためには運動をしよう!
近年の研究で、免疫力と運動との関係が徐々に解明されつつあります。
適度な運動で免疫力が高まります。ですが、免疫力はストレスに弱いので、強度の高すぎる運動では免疫力が低下することが分かってきました。
マラソンランナーが風邪をひきやすいといわれるように、高すぎる運動強度は負担になります。運動強度の目安は、心拍数を利用した数式(220-自分の年齢)×70%で計算できます。50才の場合では、(220-50)×70%で119拍という具合です。ウェアラブル端末などを利用して管理するのもよいでしょう。また、笑顔で会話しながら運動ができるペースというのも強度の目安になります。
③免疫力を高めるためには睡眠も大切!
免疫力と睡眠は深い関係にあります。
夜眠っている間には疲労回復だけでなく免疫力が保たれます。栄養のある食事や定期的な運動を心掛けていても、徹夜続きや睡眠時間が短いと免疫力は低下します。睡眠時間が5時間以下の場合、7時間以上の睡眠と比べると風邪の発症率が2倍ほど高まります。
18〜55歳の健康な男女164名の7日間の睡眠時間を記録し、1日あたりの平均睡眠時間でグループ分けを行った。その後、風邪ウイルスを鼻に投与し、風邪の発症率を比べた。
出典: Prather AA, et al. Sleep. 2015;38:1353-9.
また、睡眠の質も重要です。夜中に何度も起きてしまう人は、免疫力が低下しているかもしれません。ヒトは眠っている間に成長ホルモンが分泌され、細胞を修復しています。しかし、睡眠不足や睡眠の質が良くないと成長ホルモンが上手く分泌されず、マクロファージなどの免疫細胞が減少し免疫力が低下してしまうのです。
まとめ
免疫力を高めるためには、バランスの良い食事、適度な運動、規則正しい生活が大切です。
3食きちんと食べるだけでも朝から活動的に動けるので、仕事の効率も上がるでしょう。運動が苦手な方も、エレベーターを使わず階段を使ってみたり、歩幅を広げて歩いてみたり。少しのことでも活動量が増え、深い睡眠につながります。
あなた自身の将来のためにも、そして、あなたの周りの大切な人のためにも、免疫力を高める方法をあなたの生活の中にぜひ取り入れてみてください。
【NOSTからのメッセージ】
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