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呼吸を深めてコンディションを整える

日々何気なく繰り返されている呼吸。

いったい何回しているのでしょうか?
平均的な呼吸数が1分間に16回。
それを24時間にすると、1日に2万3千回も呼吸をしていることになります。
また、この世に生まれて来て1番初めにすることも呼吸です。

生命維持に欠くことのできない呼吸は、自律神経とも密接に関わっています。
呼吸が深くなると心身のコンディションも良くなります。呼吸のメカニズムや整え方を解説していきます。

呼吸のメカニズム

心臓など内蔵の働きは、自分で早くしたり遅くしたりコントロールすることはできません。

ですが呼吸だけは別で、眠っている時などは無意識に呼吸していますし、自分の意識で少し止めることもできます。

これは呼吸が無意識な自律的運動と、大脳の指令で随意的に呼吸を止めることのできる「二重神経支配」と呼ばれる構造となっているためです。

肺そのものに自動的に動く仕組みはありません。
肺を囲っている胸郭(胸椎と肋骨と胸骨で作られる鳥かごのような空間)が動くことによって、間接的に伸び縮みしています。

胸郭を動かすのは肋間筋(ろっかんきん)と横隔膜です。
これらの筋肉の働きによって呼吸が行われています。

胸式呼吸・腹式呼吸・胸腹式呼吸の違い

腹式呼吸と胸式呼吸。
そして聞き慣れない言葉かもしれませんが、胸腹式呼吸。
それぞれの違いをみていきましょう。

胸式呼吸

胸式呼吸では外肋間筋(がいろっかんきん)が主に働きます。
外肋間筋は肋骨と肋骨の間についているスペアリブのような筋肉です。
胸式呼吸ではお腹ではなく胸郭が動きます。

腹式呼吸

腹式呼吸では息を吸うとお腹が膨らみ、吐くと腹がへこみます。
腹式呼吸で主に働くのは横隔膜です。
横隔膜とは肋骨の下についている薄い筋肉で、よくパラシュートに例えられます。

胸腹式呼吸

普段の呼吸では、腹式・胸式どちらかだけではなく、腹式と胸式を併用した「胸腹式呼吸」をしています。
胸式呼吸が4割、腹式呼吸が6割程度の割合が理想的とされています。

【鼻呼吸を心掛けましょう】

ヒトは鼻と口のどちらでも呼吸ができます。
鼻にはフィルターの機能があるので、吸った空気を浄化し、空気の温度や湿度を体に負担がないように調整できます。
一方、口は栄養を体内に取り込むための器官で呼吸には不向きです。

口呼吸では、ウィルスなどが体内に侵入しやすくなり、風邪やアレルギー症状を引き起こしやすくなります。

呼吸が浅くなる原因

呼吸が浅くなった、深く吸えないなどの呼吸の悩みも増えています。
ビジネスパーソンによくみられる呼吸が浅くなる原因は大きく2つです。

長時間同じ姿勢でいる 

長時間のデスクワークで顔が前に突き出た状態や猫背になり、肺が圧迫されてしまい、横隔膜の動きが悪くなり、呼吸が浅くなります。    

ストレスによる自律神経の乱れ

自律神経と呼吸は深く関わり合っています。
息を吸う時は交感神経が優位になり、吐く時は副交感神経の働きが優位に。
ストレスが多い生活をしていると交感神経が過緊張し、浅い胸式呼吸ばかりが促されてしまいます。

運動不足やストレスに晒され続けると、呼吸が浅くなってしまいます。
常に呼吸が浅い状態でいると心身に支障をきたすこともあります。
仕事の合間に軽く体を動かすなどリフレッシュしましょう。

呼吸を深めることで得られるメリット

深い呼吸ができるとどんなメリットがあるのでしょうか?
心身への影響について探っていきましょう。

①自律神経のバランスが整いリラックスできる

呼吸が深まると副交換神経の働きがスムーズになり、リラックスできるので寝つきが良くなります。

②頭がスッキリする

脳は筋肉の20倍の酸素が必要なため酸欠になりやすいのです。
呼吸を深めることで脳全体に酸素が届けてモヤモヤの解消につなげましょう。

③血流改善・痛みが緩和される

呼吸が深まると副交感神経が優位に働くので、血管が拡張され血流が改善します。
コリやハリが軽減され痛みの緩和が期待できます。

④便秘が解消される

深い呼吸をすると横隔膜が大きく動きます。
その結果、横隔膜が内臓をマッサージし、腸の働きがアップします。

呼吸を深めるには

無意識な呼吸では、息を吐くときは、吸うときに使った筋肉を緩めるだけで呼気が外に出ていくだけなので、筋肉は働いていません。

一方で、意識した呼吸では、息を吐くときに、「腹横筋」や「内肋間筋(ないろっかんきん)」を主に働かせています。

そして、呼吸を深めるには、まずしっかりと吐き切ることがポイントです。
コルセットのような形状の腹横筋がギューっと締まると、息が深く吐き出されます。

ですが、肩こりや腰痛で体がガチガチでは息が深く吐けません。
呼吸を深めるには体幹の筋力や安定していて、肩周りの緊張がない状態が望ましいです。
肩や首周りの血行を良くするためのストレッチをこまめに行うと良いでしょう。

呼吸を深くする簡単なストレッチ

呼吸を深めるために、首や肩、背骨の動きを改善させるストレッチが有効です。
横隔膜や肋骨の動きが良くなります。
オフィスでも目立たず、短時間でリフレッシュできる簡単ストレッチを3つ紹介します!

①首と肩の血行アップストレッチ

両方の肩を高く持ち上げ、息を止めて5秒キープ。
一気に息を吐きながら肩もストンと下げましょう。
この動きを2〜3回繰り返します。

②背骨のコワバリ解消ストレッチ

みぞおちの辺りで指を絡めて手を組みます。
息を吐きながら、組んだ手を体から遠ざけ、背骨を丸くします。
息を吐き切ります。
おへそをのぞき込むようにすると、背骨がよく動きます。

次に、腰の辺りで手を組み、息を吸いながら組んだ手を体から遠ざけ胸を開きます。
軽く顎を引き、二の腕同士を引き寄せましょう。
胸が開き、背中の血流もアップします。

③全身リフレッシュストレッチ

腰幅程度に足を開いて立ちます。
両手をバンザイにし頭上で指を絡めて手を組みます。
つま先立ちになり、組んだ手をさらに高く押し上げるようにして大きく伸びます。
5秒ほど脇腹を伸ばしたら、息を吐きながら脱力。
上げていた手足を元の位置に戻します。

まとめ

呼吸が深まるとリラックスでき、血流が改善するなど様々なメリットがあります。

忙しい日々で浅くなりがちな呼吸を見直してみましょう。

呼吸を深めるためには、ストレッチで体の強張りをほぐすことが大切です。
デスクワークでの運動不足を解消し、仕事の効率アップにもつながります。
リフレッシュタイムを作り、心身のコンディションを整えましょう。

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