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【NOSTブログ‣3月度 第1回】なぜ、新しい戦略マップを作っても現場は動かないのか?
——【CULTURE:風土編】自社の成長戦略を咲かせるための、組織の「土壌」の耕し方

健康経営に取り組む企業が増える一方で、「事務局だけが空回りしている」という悩みをよく伺います。
私たちが常に持ち続けたいのは、経済産業省が推進する「健康経営優良法人認定制度」という仕組みへの建設的で批判的な眼差しです。
この制度は、各社の活動を「産業保健ベースの標準化」へと導く特性を持っており、効率を優先するあまり、健康経営度調査票の設問を埋めること自体が目的化(形骸化)してしまいがちです。
その結果、現場には「また健康施策か」というやらされ感が漂い、本末転倒のサイクルに陥りかねません。
昨今、経産省も「100社100様の健康経営」を提唱しはじめました。
2月度のブログでは、各社の経営戦略と連動した健康経営の設計図としての新しい戦略マップの描き方を取り上げました。
一方、どれほど自社に最適化した戦略マップ(設計図)を描いても、受け皿となる組織のOS=「健康風土」が義務的な「守りの健康管理」のままであれば、命は吹き込まれません。
今月のブログでは、戦略マップにそった自社の施策が、社員の方々にとって「自分事化」してもらうための組織開発としての風土改革について考えます。
目次
- 「認定制度」という仕組みの性質が、手段の目的化を生む
- 人的資本投資としての健康経営と、設計図を動かす「健康風土」
- 良い「種」をまく前に、まず「土」を耕す
- まとめ:健康経営は、組織風土改革そのものである
1.「認定制度」という仕組みの性質が、手段の目的化を生む
健康経営優良法人の認定制度には、申請書を兼ねた「健康経営度調査票」が存在します。
点数や偏差値で自社の立ち位置が可視化されるこの仕組みは活動を推進する強力なガイドとなる一方で、弊害も生みました。
それは、高い評価を得るために、調査票という「共通の正解」に自社を無理に合わせようとすることです。
真面目に取り組む企業ほど、他社と同じような産業保健施策を詰め込む「標準化」が進み、社名を隠せばどこの会社の取り組みか分からない「手段の目的化」が起こります。
結果、現場の社員にとっては「事務局が認定取得の義務として、あるいは対外アピールのためにやっていること」という冷めた受け止め方を生んでしまった……という話をお伺いしたことがあります。
社員を健康に保つことは当然の責務ですが、現場が「やらされ」と感じていては本末転倒です。
2. 人的資本投資としての健康経営と、設計図を動かす「健康風土」
本来の健康経営は、経産省が定める「定義」や、その充足度を測る「調査票(認定基準)」に自社を合わせることではありません。
自社の人的資本である従業員等への投資を「生産性向上や企業価値向上」に繋げるために、制度や基準をどう「活用」するかというスタンスこそが必要です。
ここで重要になるのが、組織のOSである「健康風土」です。
これは単に「健康」だけを意識したものではなく、社員が会社からの投資を「自分たちの成長への支援」として前向きに受け取れる空気感そのものを指します。
この風土というOSがアップデートされない限り、2月度のブログで取り上げた自社ならではの新しい「戦略マップ」も現場で命を吹き込まれることはありません。
3. 良い「種」をまく前に、まず「土」を耕す
農業に例えるなら、自社の戦略に基づいた独自の施策は「種」です。
そして、組織の文化は「土壌」です。
カチカチに固まった土に、どれほど立派な種をまいても芽は出ません。
「この会社は、本気で私たちのウェルビーイングを支援し、成長を後押ししてくれている」という実感が社員の間に広がるよう、人事部が本来得意とする組織開発の手法を用いて土壌を耕すこと。
このプロセスがあって初めて、健康経営は「守りの義務」を超え、社員と会社が共に成長する「攻めの組織文化」へと変わります。
4. まとめ:健康経営は、組織風土改革そのものである
事務局が陥りがちなのは、「施策の内容をいじる」ことだけで問題を解決しようとすることです。
しかし、今求められているのは、施策が喜んで受け入れられる「土壌」作りです。
「健康風土」は一朝一夕には作れませんが、ここを抜きにして、本業の成長に資する健康経営は実現できません。
まずは足元の「土」を見つめ直してみませんか。
次回は、【LEADERSHIP:共創編】として健康風土の醸成を一言に集約した、「逆ピラミッド組織」について深掘りします。
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