昨今、従業員を大切にする経営にまつわる言葉がバズワード化していると思いませんか?
『人的資本経営時代の〇〇』というようなタイトルでのセミナーも盛んですね。
背景としては、企業間の競争は、「有形資産」から「無形資産」にシフトしてきていることがあります。
企業の情報開示においても、財務諸表には掲載されない「非財務情報」への注目が高まってきています。
企業の中長期的な競争優位性は、無形資産、その中でも、従業員という人的資本によって左右される時代になってきました。
SDGsバッジを着けたことがありませんか?
突然ですが、SDGsのバッジを着けたことがありませんか?
そう、ちょうど、こんな感じです。

SDGsバッジは、企業が従業員に配ったこともあり、多くのビジネスパーソンが身に着けたことと思います。(最近、目にしなくなりましたね。)
個人、自治体、政府関係者などの様々な方が、SDGsの考え方を広めようという気持ちも込めて身に着けたと思います。
SDGsバッジを身に着けることで、一目しただけで、SDGsに取り組んでいることを周囲にアピールできる効果があり、企業や自治体では着用が推奨されたケースもあったと思います。
翻って、従業員を大切にする経営に関するバズワードとも言える、『人的資本経営』『ウェルビーイング経営』『健康経営』などについても、各企業や自治体で取り組んでいることをアピールするために、これらのワードを外から見えるように掲げれば良いのでしょうか?

<写真のバッジはイメージです。このバッジは実在しません。>
人的資本経営って?
従業員を大切にする経営に関するキーワードの中でも、今、一番脚光を浴びているであろう『人的資本経営』を取り上げて、一緒に考えてきたいと思います。

経営者がマネジメントするリソースの中で、従業員は、1人が1人分のアウトプットを出す「労働力」としての「資源」ではなく、「創造力」の源泉としての「資産」であり、その価値を最大化するための経営が注目されています。
そして、企業の競争優位性を左右する資産である以上、CEOとCHRO(=Chief Human Resource Officer:従来の調整型の人事部長ではなく、数字もわかる経営者としての人的資本責任者)にとっての最重要テーマであるというマインドの切り替えが必須です。
人的資本経営の提唱者・伊藤邦雄先生のメッセージ

人的資本経営の提唱者と言えば、一橋大学の伊藤邦雄先生で、経済産業省がこの考え方を推進しています。
また、人的資本経営の開示については、非財務情報の開示の重要項目として、金融庁も力を入れています。
こうした社会的な潮流に乗るように、開示方法などのHOWを指南するビジネスも活発になっています。
NOSTでは、『人的資本経営時代の〇〇』という具合に、人的資本経営というバズワードを掲げる流れを含めた「形」が優先している状況を危惧しています。
従来の従業員に関する取り組みやデータなどを、人的資本経営の開示のフレームであるISO30414に当てはめて項目を埋めることで、「当社は人的資本経営を実現している」という開示の形を整えることを優先する企業が少なからず存在しているのではないでしょうか?
伊藤邦雄先生は、「人的資本経営が目指すのは、中長期的視点に立った持続的な企業価値の向上であり、その先の最高善としての幸福(ウェルビーイング)である」と、従業員のウェルビーイング(肉体的・身体的・社会的な健康の習慣化)を追求することこそが人的資本経営の本質(WHY・WHAT)であると言っています。
人的資本経営に取り組むということは、過去からの連続ではなく、従業員のウェルビーイングを目指す新たな経営戦略をスタートすることだと思います。
NOSTでは、開示のため開示ではなく、従業員のウェルビーイングに向かうための本質的な取り組みのヒントが、ISO30414の中に描かれていると提唱しています。
人的資本経営は、健康経営を1階とする2階建て住宅

人的資本経営に取り組む企業は、ISO30414に沿って継続的に開示することが求められます。
11項目と、それをブレークダウンした58指標は、企業が人的資本経営に取り組んでいることを市場と対話するためのグローバルスタンダードのフレームワークです。
ここで大切なことは、従来から現場で取り組んできた活動を吸い上げる「収集活動」ではなく、経営者が経営戦略として率先して展開する取り組みが時間的なラグを置いて滲み出してくることを想定した「PDCA活動」であり、「健康経営を1階とする2階建て住宅を構築することである」と提唱しています。
1階に相当する健康経営に取り組むということは、従業員の「エンゲージメント」を引き出し、「プレゼンティーズム」と「アブセンティーズム」を解消することです。
- エンゲージメント:組織と従業員の信頼関係と共感。自発的貢献意欲。
- プレゼンティーズム:出勤しているが、健康問題により生産性が低下している状態(一人当たり年間60万円~90万円の損失がある)
- アブセンティーズム:健康問題により休業している状態(1年間休業した場合は年収の3倍の損失がある)
この3つの対応ができていればこそ、人的資本経営のフレームワークである「採用コスト」「離職費用」「定着率」「労災」「一人当たり生産性(EBIT・売上・利益)」「離職率」「欠勤状況」などが改善します。(ISO30414を説明した上図で、緑文字で記載した部分に相当します。)
健康経営での取り組みが1階となって、はじめて、2階に位置付けるダイバーシティ(多様な人材)が活躍でき、リーダーシップ、スキルの向上と発揮(リスキリング)ができ、後継者が育つといった一連の「人材の育成・活用」の好循環が生まれます。
逆説的い言えば、いくら従業員に対して教育をしても、身に着けたスキルなどを発揮するためのコンディショニングが整っていなければはじまりません。
繰り返しますが、健康経営の1階の上に、人材の育成・活用の最大化を目指す施策が2階として乗ります!

NOSTがパートナーになります!
人材の育成・活用のベースである健康経営の展開については、NOSTがパートナ―になります。
NOSTは、『伴走型健康経営支援サービス』として、企業と従業員に寄り添った健康経営の実践を支援します。
健康経営も、従業員を大切にする経営に関するバズワードの1つですが、NOSTでは、「従業員のコンディショニングケア」という日々の現場での活動を支援します。
NOSTが得意とするのは「ポジティブメンタルヘルス(0次予防)」の分野です。

- 3次予防:従業員が心身を病んだ後の職場復帰を支える。(産業医面談など)
- 2次予防:従業員の不調を早期に発見する。(健康診断など)
- 1次予防:従業員の不調の傾向をとらえて未然に防止する(ストレスチェックなど)
- 0次予防:不調の傾向がある従業員を対象(=ハイリスクアプローチ)とはぜず、従業員全員を対象(=ポピュレーションアプローチ)とすることで、休業による損失(=アブセンティーズムの解消)よりも、生産性アップ(=プレゼンティーズムの解消)に取り組む。
あれこれと複雑なサービスを導入することをせずに、従業員の皆様が楽しみながら「グッドコンディショニングの習慣化」を支えます。
NOSTは、EASTというサービスコンセプトで、健康経営を身近な職場環境の中で実践・展開します。
- Make it Easy (簡単にする)
- Make it Attractive (魅力的にする)
- Make it Social (みんなが関わる行動にする)
- Make it Timely (必要なタイミングでそこにある)

ぜひ、皆様の声をお聞かせください。無料コンサルティングやトライアルなどもご案内しています。
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